「アトムスマッシャー」レビュー

ヨーヨー

こんばんは!Sminovです。

今回はヨーヨーファクトリー(以下YYF)から新発売された「アトムスマッシャー」についてレビューしていきます。

概説

簡単なスペックが以下の通りです。

重量(g)65.8
直径(mm)57.6
本体幅(mm)44.7
有効幅(mm)39
引用元:ヨーヨーストア リワインド https://yoyostorerewind.com/collections/yoyofactory/products/atom-smasher

重量に関してはYYFから発売された「リプレイ」「ウェッジ」といった重量級と「アロー」「ワンスター」といった軽量級のちょうど真ん中程度です。
古くでは「プロトスター」「ノーススター(ピボット)」に近い重量となります。

サイズ感は「リプレイプロ」とほぼ同程度ですが、エッジに大き目のRが取られているため有効幅は狭めです。

若干ストリングトリックに不利に働きますが、キャッチが柔らかくなるので遊び・練習のストレス低減に一役買っています。

特徴

フィンガースピンスポット

第一にその目を引く「フィンガースピンスポット」があります。
プラスチックヨーヨーでは「ノーススター」あたり、いやヨーヨージャムのラテラルキャップ…
いえ、もっとさかのぼればシンウーの「テクノ」からでしょうか、トップオン(フィンガースピン)に向いた部品が取り付けられるようになりました。

特に最近ではインスタグラムやTiktokのヨーヨープレイヤーがあいさつ代わりに「DNA」を行うため、ベーストリックのフィンガースピンがやりやすいヨーヨーが好まれています。
前回紹介した「ベティノヴァ(新)」もこれに当たります。

無いはずの思い出補正(ベティノヴァレビュー)

肝心のやりやすさですが、フィンガースピン自体はとても簡単です。
指の上で30秒以上平気で回ってくれます。

ただし、DNAをやるには正直若干の慣れが必要です。

というのも、昨今のYYFのヨーヨーにしては軽い為、DNAをやるときにストリングの抵抗をモロに受けます
よって、若干回転が止まりやすく、コツが必要と言えます。
ほんの僅かに、なので「フィンガースピンに挑戦したい」程度であれば十分以上の性能だと思います。

少なくともフィンガースピンスポットの無いヨーヨー、例えばリプレイプロなどよりは遥かに敷居が低いでしょう。

軽くてよく回る

YYFのプラスチックヨーヨーといえば(入門機種を除き)リプレイ、またはウェッジでした。
これらは「回転力を増したい」という要求を「重量を増やす(本体外周を肉厚にする)」ことで解決してきました。

今回のアトムスマッシャーは、「軽いのによく回る」と言えます。
リプレイより外周の肉が薄いためスリープ力が控え目かと思いきや、気にならない程度に長く技をつなぐことができます。
実重量も軽い為、「疲れにくく延々振っていられるヨーヨー」の性格も持っています。

リプレイの場合は外周を肉厚にすることによるフィーリングの悪化を嫌って内側にも肉を盛り、キャップを標準搭載としていました。
そのため、実重量は重く、良く回り、それでいて動かし始めると軽やか。
そんなヨーヨーに仕上がっていました。

アトムスマッシャーではキャップを廃した代わりにフィンガースピンスポット付き金属ハブを採用することで、動かしやすさにも作用しているのではないかと思います。

ただし前述の通りストリングの当たり方が悪いとスリープを失いやすいので、ロングコンボをしたい場合には丁寧に動かす必要があります

金属ハブ

こちらもウェッジと同様に軸周りが金属となっています。
これによって高精度な組み立てが可能になっていると思われます。

プラスチックヨーヨーにしてはブレはとても少ないですが、スピーダホリックXX(C3)等と比べるとさすがにブレを感じます。

また、プラスチックヨーヨーとしては珍しく、軸が完全に取り外せます
なのでチタン製に付け替えたり、短い軸+薄いベアリングで引き戻し化、というカスタマイズも可能と思われます。

所感

名機「プロトスター」に似ている

かつて「Death to Metal」シリーズのトップとして相当な人気を博した「プロトスター」。
サイズ感こそトレンドもあって異なってきますが、形状は似ています。
ステップストレートという括りで似てるだけと言われればそれまでですが……

形状のみならず振り心地もだいぶ近く、「ウェイトを抜いて重量を適正化したフルプラのプロトスター」と言われればアトムスマッシャーは当てはまるのではないかと思います。
単純にフルプラ化しただけのスターブライトという子もいましたが。

プロトスター同様、高性能を持ちながらかつ、延々振っていられる楽しいヨーヨーと呼んで差し支えないと思います。
ただしプロトスターと違って、アトムスマッシャーは粘りに欠くような感じは否めません。

スピーダホリックXXとの比較

「フィンガースピンスポット持ち」、「良く回る」、「透明カラーが多い」と共通点の多いC3の「スピーダホリックXX」があります。

なんならYYFが特徴かぶせてきたのか、ってくらいの合致具合。

率直に言って別物です。
スピーダホリックXXの方がしっかりした振り心地をしていて、アトムスマッシャーの方が軽快です。
車で言うと前者はフォルクスワーゲンのゴルフ、後者はホンダのフィットといった感じです。

スピーダホリックXXの方が振り心地がまったりしている、というのもそうですが、スリープの強さ、ブレの無さ等で「値段ナリ」な性能を持っています。

両方で迷ったら品質が高く引き出しの多い(スピード出してもよし、まったり遊んでも良しの)スピーダホリックXXを買っておけば間違いは無いですし、DNAやりたいだけ、あるいは低価格に上等なプラヨーが欲しいというならアトムスマッシャーで十分に思います。

あえて両方買う必要もそんなに無いと思います。

「アトムスマッシャー」の意味

ヨーヨーは技名にも「核」にまつわる名前が多く、中々このご時世にはデリケートなホビーなわけですが……
アトミック・ファイヤー(ボム)とか、スプリット・ジ・アトムとか、コールド・フュージョン等々。

一方でこの「アトムスマッシャー(Atom Smasher)」、どうやら「粒子加速器」を表すようです。
世界的にはCERN(※)、日本では茨城のKEKにあるものが有名だと思います。というかそれしか知りません。

(※)シュタインズ・ゲートに出てくるSERNはおそらくこれのオマージュ

粒子加速器とは何ものかというと、原子核等を光速以上まで加速させる…マリオカートのダッシュ床みたいなものです。関係者が聞いたら怒りそうですが。

日本人ノーベル賞受賞で騒いだ「対称性の破れ」だとか「ヒッグス粒子」だとか聞いてピンとくれば、加速器はそれらを証明・発見することになった実験に使われた施設群のことです。

「対称性の破れ」は「物質と反物質が均一でない」だとか、ヒッグス粒子は「ヒッグス粒子に光当てると質量が生じる」みたいな感じだったと思います(適当)。

どうしてこんなマニアックな名前を付けたのか謎ですが…推測するに

  • 「Accelerator」とつけたかったがC3に取られていた
  • 「アクセラレータ」よりもヨーヨー向きな「核」ルーツの名前を付けたかった

という辺りでしょうか。

このヨーヨーにも放射能標識「☢」のロゴがあしらわれています。
光速まで超える、すなわち「God Speed(※)」を意識しているとしたら、なんと粋な名前か。

(※)Tiktokで流行のトリック群

深読みすれば、「このヨーヨーを使って新たな発見をしてくれ」ということですかね?
特に初心者の方にはそう向けているように感じます。

そう考えると、地味なカラーのラインナップ+ギャラクシーというカラーバリエーションも納得できる…かな?
そもそもSNS映え狙いならYYFお得意のオレンジとか派手目な色出してくると思うんですよね。

まぁ絶対深読みしすぎなんですけども。

まとめ

ヨーヨーファクトリー本家でも相当な自信作のようで、事実よくまとまったヨーヨーだと思います。

上級者にはそのバランスの良さからちょっと味気ないように感じるかもしれません。
ゆえにプロトスターっぽさを感じられるのかもですが。

どちらかというとヨーヨー専門店よりはおもちゃコーナーやスポーツショップに置いておいて欲しい感じがあります。

あとはカラーバリエーションがもう少し豊富になると良いかなという感じです。

個人的にはリプレイプロが廃止でアトムスマッシャー推しになっていくのはちょっと残念かな……
まぎれもなく万人受け、特に日本人受けするのはアトムスマッシャーの方だと思います。

という辺りで締めさせていただきたいと思います。

https://yoyostorerewind.com/collections/yoyofactory/products/atom-smasher?variant=42576326230272 
リワインド

https://spingear.jp/index.php?dispatch=products.view&product_id=4072
スピンギア

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