こんばんは!
本日からは、先日2/6(日)に初めて参戦しましたCentral Japan Yo-Yo Contest 2022についてお話したいと思います。
少々文が長くなりやすい内容ですのでご容赦ください(適度に飛ばしてお読みください)。
※色文字のついていない箇所は大体自分語りです。
本日は1. 2. の内容をお話しようと思います。
当日の内容だけ知りたいよーという方はヨーヨー大会参戦レポート その2へジャンプしてください。
1. 大会参加した理由
そもそもいつから競技ヨーヨーをやっているかというと、2010年の第3期ハイパーヨーヨーブームがきっかけなんですね。
第1期の時点で兄がファイヤーボールでめちゃくちゃループザループやってて、その記憶の懐かしさからウッドバレット買ってしまって、ジャーニー→ダークマジックと、トントン拍子で沼入りした次第ですね……
当時は今ほど日本語のトリック解説動画も無く、英語の解説を見聞きしながらトリックを覚えたものです……という話をしているあたりヨーヨー老人会の会員といっても差し支え無さそうですね…汗
しかしそこから大学生活がとても時間の取れるものではなく、練習会にも大会にも行けない年が続きました。
こうなってくるとヨーヨーとの付き合い方は、適当に大会動画を見て、適当に新しいヨーヨーを買い、技もロクに増えないので惰性でやっているようなものになるんですね。
趣味としての付き合い方は、それが一つの正解だと思います。
年々若手選手が増えていき、大会に出る人はほぼ全員スポンサードみたいな状態になり、もう大会に出ることもないんだろうな~と思っていました。
しかしながら数年前からB部門が出来、いつかは出ようとも思っていました。
(新設された初期は「なんでA部門出てないんですか?」みたいな選手がゴロゴロいたとかなんとか…)
近年は選手層も落ち着いている(ちゃんと大会ビギナーが多い)らしく、さらにはコロナの影響で出場を諦めるかオンライン部門にシフトするプレイヤーも多いはず。
そして何より私の20代最後の年ということで、「こりゃもうやるっきゃない」と。
社会人になると表彰される機会も減り、自分がどれだけ価値があるか認識しにくいものです。大抵は給料に返ってくるんですが。
「今の自分がどれだけのことができるのか、ちゃんと確かめてみたい」とそう思いました。漫然とはいえずっと続けてきたヨーヨー。これでどれだけ成果が出せるのか確かめたくなりました。
中学から大学まで吹奏楽をやってきましたが、ロクに成果もあげられていませんでした。中高は東関東止まりだし、大学は始終大会メンバー外でした。
音楽もヨーヨーも勝ち負けの結果がすべてではないけれども、”あくまで結果を出す”ことに比重を置いていました。
(とはいえ2-2の通り、勝ちにだけ行く構成にはしなかったんですが)
そして大人らしく、決して生活や人付き合い、音楽活動も犠牲にすることなく、大会へ臨みました。
2.大会への準備
自分語り飛ばした方はここから読んでください
何事も準備が大事です。時間のある学生ならがむしゃらにやってもよいけれども、時間が限られたり急用が増えたりする社会人の場合、本番までに何も仕上がらないということになりかねません。
ということで、以下のことに取り組みました。
- ルールをよく読む
- 大会の場で何を見せたいか決める
- 参考にする選手を決める
- トリックの棚卸をする
- 使う音楽を決める
- 演技構成を決める
- 使うヨーヨーを決める
- 以上をスケジュールに落とし込む
あくまでも自力でやりたかったので、他の人にアドバイスをもらいに行ったりはしなかったです。
それを遂行するために他のものが犠牲になるようなのは嫌でしたし、チームメイトとかいないゆえ「どういうやり方が自分に合ってるか」わかってるのは自分だけですからね。
1. ルールをよく読む
優勝や上位入賞を狙うのであれば、失格はしてはいけないし、審査の配点を理解する必要があります。「大会」と名の付くものであればどこでも重要なことだと思います。
ちなみに私が目標としていたのは当然「1位」です。満点狙いで取り組んだ上、本番で力を発揮できない障害が諸々あって、上位に落ち着けたらと思っていました。
ヨーヨーという競技が優しいところは”絶対評価”なところだと思います。満点を取れば周りに関係なく必ず1位(または同率1位)になりますから。あくまで理論上。
後述しますがハプニングもいろいろあったので、相応の結果が出たと思います。
2. 大会の場で何を見せたいかを決める
「そりゃあ満点の演技だろ?」と言われそうですが、やりたくないこと、あるいは身体に合っていないことを自主参加の大会でやることは、果たして理想的なのだろうか?と考えました。
苦手なことをやって失敗したら当然落ち込みます。二度と大会に出たくない、ひいてはヨーヨーをやめてしまうかもしれません。
そこで私は、やりたいこと・身体に合っている技を入れつつ勝ちに行ける折衷案を追求しました。これで失敗したなら「やりたいことをやって失敗したなら仕方ない」「技術点が足りないなら今度は難しい技を入れよう」と諦めがついたり、次に繋げることができるわけです。
逃げ道をちゃんと確保するのも大人のやり方だと思います(笑)
加えて、どんなヨーヨーの演技にアガるかというと、やっぱり音ハメがしっかりしているフリースタイルを見た時です。
なので、「リスキーなトリックに挑むよりは安定したトリックを選び、その代わりに音ハメにこだわろう」と思いました。
そんなやりたいことが伝わったから、高いエクスキューション(EXE)が入ったのかと思います。
3. 参考にする選手を決める
勝つためにはどうしたら良いかという目で見ると、既に勝っている人を真似するのが一番手っ取り早いです。どんな競技でも同じことです。
そこで上手い選手を真似しながら、自分に合うようにコーディネートしていけば、「やりたいことをやりながら勝ちに行ける」択になると考えました。
その参考にする選手の選び方も、既に模倣していたり、あるいは体型・動きのクセが似通っていると真似しやすいと思います。本番で”降ってくる”可能性もあるんじゃないでしょうか?
私は、その選手のトリックも幾つか真似できるし、彼のシグネチャーモデルも粗方揃えているし、何より最もリスペクトしているという理由で、ジェントリー・スタイン選手を真似し始めました。
4. トリックの棚卸をする
要するに「自分の技の引き出しを整理する」ことです。
とはいえ片っ端から全部出したら百では収まらないので、できるコンボを主に並べていきます。
初級者にとってラセレーションは単品になりがちなので、それは単品でもOKです。
実際に棚卸をした画像が以下です。
SHU選手がテレビ番組に出演された際に、こういった分析をしているのを知りまして、見よう見まねでやってみた次第です。
技名が意味不明だったりしますが、他人に見せるでなければ自分がわかればOKです。
こうやって整理することのメリットは多くて、
- 安定している技、チャレンジングな技が一目でわかる
- トリック・バリエーション(VAR)対策になる
- フリーを組んで尺の余剰/不足が発生した時に、代替案がすぐ引き出せる
等々、ひたすらヨーヨーとにらめっこしてるだけよりも冷静に審査対策ができます。練習の合間にやっても良いかもしれませんね。
特にトリック・バリエーションについてはB部門では20点分に相当します。1分フリーなので満点は難しい(今大会では最大点が12点)ですが、トリックに偏りがあると差がついてきてしまいます。
※A部門の予選1分フリーとは採点基準が変わります。VARのような項目が無いので、予選の場合はリスキーなトリック(ラセレーション、ウィップなど)避けても良かったはずです。
5. 使う音楽を決める
好きな音楽を使いましょう!A部門本選とB部門はJASRAC管理楽曲も使用可能です。
(のちのアーカイブであまりいい顔をされないでしょうが、何より本番で好きな曲で挑みたいじゃないですか…)
これに尽きるのですが、こと音ハメにこだわるとなると事情が変わります。
まず棚卸したトリックをどれくらいのBPM(テンポ)でできるか確かめます。
(現時点でできるテンポでも良いが、本番前の時点でどれくらいでできるか予測しても良い)
メトロノームアプリ等で音を鳴らしながらやってみると良いでしょう。メトロノームは後々トリックを綺麗にしていくのにも役立ちます。
私の場合は♩=108~116辺りだろうとわかりました。
ちなみにA部門クラスの選手だと♩=128辺りが多く(アニソンやEDM系が多いからかな?)、高くて190弱辺りまで行きます……
好きなアーティストのAimerさんの曲からだと
- 花びらたちのマーチ
- 夜行列車
- Wonderland
の3曲が挙がりました。調べる方法は曲を流しながらメトロノームを鳴らすか、曲に合わせてクリック(大体太鼓のマーク)をしてあげればわかります。
この3曲から選ぶとすると、梶浦さん楽曲が好きということもありますがー
チョップスティック(トリック)の動きが結構ネットリとした動きをするので、やはりWonderlandが曲調と合うかな?と思いチョイスしました。
※暗い雰囲気の曲は歌詞が「不適当な音楽」に該当しやすいので、歌詞にも気を配りましょう
6. 演技構成を決める
ここまで来て、ようやく演技の構成を決めます。先に参考画像を以下からどうぞ。
ちなみにこれは初期案でして、本番に近づくにつれどんどん変わっていきます。
埋める順序として、1, 2, 6, 8 が優先で、それ以外は穴埋め式です。
その理由が以下です。
- 1, 最初は1小節~2小節程度あける。音楽が流れだした途端にスローするのは困難
- 2, 曲のイントロ部分なので、成功率が高く落ち着いた技を入れる
- 6, サビの始まりなのでダイナミックな技を入れる
- 8, 曲の締めなのでバインド系で派手な技を入れる(本番ではグラインド・トゥ・スラック・バインド)
……といった決め方をしました。
チョップスティックコンボにはチョップスティックラウンドトリップが入ってますし、サーキュライーライホップも今では加点としては低いでしょうが、その辺りはなんちゃってヨーヨーベテランとしての矜持みたいなものが出ましたね笑
「絶対にやりたいトリック」から当てはめていくのは良い手段だと思います。
それと同様に、「3. 参考にする選手を決める」で決めた選手のトリックを(可能なら)入れていきます。
後のヨーヨー選びにも関連してきます。
ホリゾンタルが入っていないのは「照明の感覚もわからない初めて乗るステージでやるリスク」を考慮して入れていないです。2018年のマツウラタケシ選手の影響もありますが。
こだわったポイントとして「歌詞ハメ」がありまして、Wonderlandには「三つ編みをほどいて」という歌詞があるのですが、そのタイミングでトライアングルをほどく、という演出をしています。
もう一か所はサビの「世界は君のものさ」のところでサーキュライーライで世界一周を示しています。
こういうフリーの組み方する人少ないと思うんですけど、音楽側からアプローチするのも楽しいものですよ。
7. 使うヨーヨーを決める
ここまで来てようやくヨーヨーを選びます。選び方はシンプルです。
- 入手性が良く、複数用意できるヨーヨーであり
- 「3.参考にする選手を決める」で決めた選手使用ヨーヨー(もしくは近いもの)
レアもののヨーヨーで戦いたい気持ちはわかりますが、本番直前に壊れた・失くした等のアクシデントがあったときに、本命のヨーヨーで戦えなくなります。
スリープ力に頼っていた場合にはコンボ中に回転不足が起こり、動きの軽さに頼っていた場合には構成通りのタイミングにトリックをこなせない恐れがあります。
2点目に関しては、「その選手がやっているトリックが、やりやすいスペックのヨーヨー」であると考えられるためです。
私は大会準備初期には、シャッター(このブログのタイトルですね!)をチョイスしていました。
ジェントリー選手のトリックは当然やりやすく、フリーを通すに堪える性能を持っています。
入手性は世界でも随一です。
ただ、終盤のコンボでスリープ力が心もとないのが不安要素でした。
(近いもの)と注記を入れたのは、選手使用モデルが超高価だった場合に安易に調達できないためです。
チタンモデルの多い昨今だと陥りがちなジレンマかもしれません。
私が振ったことある中で要件満たすモデルは
- シャッター(オリジナル/バイメタル/ワイドアングル/JDS全てOK)
- クラウン
- シュガー
- BI-METAL(YYF)
- プラグマ(後期ロットのみ)
- アングル
※他にもありますが代表ということで。
8. 以上をスケジュールに落とし込む
今までの内容の検討を含め、大会までにフリーが完成するように大雑把にスケジュールします。
以下のように決めました。
……お気づき頂けただろうか……?
私、本番を4月と予想してしまっていたのです……!
何分前年度(2020年)のCJが4月開催だったからですね泣
それはさておき、1~7までのことを期日設けて埋めていくだけですね。
12月の時点で第1弾のフリースタイルを披露できるレベルにする、といった具合です。
披露できるレベルにするには…?となるとさらに細かい目標設定が必要です。
例えば毎日フリーを3回通すとか、動画を毎回とるとか。あるいはストリング1本毎日使い切るだとか…
小目標立てたらあとは自動化して、行動したら反省するだけですね。技の成功率が上がらないのはなぜかとか…あるいは技を変えてしまうか、など対応していきましょう。
技の難易度を下げてEXE点の確保に行くのもまた戦略です。
実際には1月中にフリーの構成を変えていますが、12月までに粗方できていなかったらもっとテンヤワンヤだったと思っています。
まとめ
第2章 大会への準備のまとめは以下のようになっています。
- ルールをよく読む
- 大会の場で何を見せたいか決める
- 参考にする選手を決める
- トリックの棚卸をする
- 使う音楽を決める
- 演技構成を決める
- 使うヨーヨーを決める
- 以上をスケジュールに落とし込む
常に本番を想定しながら組み立てていくのが大事だと思います。
本番の舞台でできる範囲のことは何か。その範囲が狭いなら広げていくにはどうしたらよいか。
舞台で生じるリスクは何か。色々考える必要があります。
そして半年程度準備してきた内容が功を奏すのか否か、次回へ続きます。
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